オレンジペコは銘柄や種類ではない?紅茶の等級(グレード)の話

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紅茶にも様々な等級(グレード)があります。

通常等級(グレード)というと、品質やクオリティをランク付けしたものというイメージがあり、等級が上であればあるほど質の良いものと扱われることが多々あります。

19世紀頃の紅茶もチャノキのどの部分を使用しているか、品質はどうかを等級で表していました。

しかし、最近の紅茶の場合は少し違います。

こちらの記事ではそんな「紅茶の等級(グレード)」について紹介していきます。

目次

紅茶の等級一覧

紅茶の等級一覧は下記の通りになります。

略称読み方区分基準
FTGFOPファイナスト・ティッピー・ゴールデン・フラワリー・オレンジ・ペコー
TGFOPティッピー・ゴールデン・フラワリー・オレンジ・ペコー
FTGOPファイナスト・ティッピー・ゴールデン・オレンジ・ペコー
FFFOPファースト・フラッシュ・フラワリー・オレンジ・ペコー
FOPフラワリー・オレンジ・ペコー
OPオレンジ・ペコー
Pペコー
PSペコー・スーチョン
Sスーチョン
FBOPフラワリー・ブロークン・オレンジ・ペコー
TGBOPティッピー・ゴールデン・ブロークン・オレンジ・ペコー
GBOPゴールデン・ブロークン・オレンジ・ペコー
BOPブロークン・オレンジ・ペコー
BPSブロークン・ペコー・スーチョン
BOPFブロークン・オレンジ・ペコー・ファニング
Fファニングス
Dダスト

様々な等級がありますが、基本は茶葉の部位・製造後の状態・希少性の3つの要素が組み合わせられて名付けられているだけです。

例えばTGBOP(ティッピー・ゴールデン・ブロークン・オレンジ・ペコー)の場合ですと

TG→ゴールデンチップを多く含んだ

B→細かく切断された

OP→先端から2番目の葉

と言った具合に組み合わされて名付けられています。

順番に見ていきましょう。

紅茶の等級の基準

紅茶の等級(グレード)は品質の良し悪しではない

紅茶の茶葉の等級は茶葉の大きさや形・製造方法によって区分されます。

希少性の違いが価格に影響する場合がありますが、分類によって美味しさの度合いに差が生まれるわけではありません。

紅茶の等級(グレード)が付けられている理由

それでは何のために等級があるのでしょうか。

紅茶は茶葉の大きさによって抽出時間が異なります。

同じ産地、同じチャノキからとれた茶葉でも、製造工程を経る中で茶葉の大きさに差が生じてきます。

バラバラの大きさの茶葉を同時に淹れようとすると、早く開く茶葉と遅く開く茶葉が出てきます。

そうすると、味のバランスが一定になりません。

そのため、紅茶は製品とする際にそれぞれの茶葉の特徴や用途に応じて等級ごとに区分されます。

大きいから・希少だから高級と言うわけではなく、それぞれの茶葉に適した飲み方の目安を知るために紅茶の等級はあります。

ただし、等級は国際的な統一規格があるわけではなく、国・産地・工場などによって多少の違いが生じます。

あくまで目安として茶葉の適性を理解し、紅茶を美味しく楽しみたいですね。

①茶葉の部位

紅茶の等級の1つ目の区分要素は茶葉の大きさです。

チャノキは先端に芯芽があり、そこから順番にそれぞれ名称がついています。

それぞれの部位に応じて下記のように名前がついています。

おいしさの詰まった若い部分であるFOP・OP・Pまで摘んだものを「一芯二葉」、PSまで摘んだものを「一芯三葉」と呼びます。

略称読み方部位
FOPフラワリー・オレンジ・ペコ先端の巻いた芯芽(新芽)
OPオレンジ・ペコ最初の小さい葉
Pペコ2番目の葉
PSペコ・スーチョン3番目の葉
Sスーチョン4番目の葉

FOP(フラワリー・オレンジ・ペコ)

1番先端にある芯芽(チップ)が多く含まれているもの。

チップが多いほど上級とされている。

OP(オレンジ・ペコ)

先端から2番目の葉にあたり、細長くヨリが強くかかった7mm~11mm程度の大型の茶葉です。

先端から数えるときに基本的にFOPは数に入れず、OPを1枚目と呼ぶ場合が多いです。

インド産のダージリンや中国産のキーマンの茶葉に多く見られます。

P(ペコ)

2番目の葉。

OPに比べて短く、太めにヨリをかけられたやや堅めの葉です。

水色や香りはOPよりも薄めです。

PS(ペコ・スーチョン)

Pよりもさらに太く短く、堅い3枚目の葉です。

香りや水色はPよりもさらに薄いです。

PSの根本には次の芽が成長を控えており、この葉をマザーリーフと呼ぶ。

S(スーチョン)

PSよりも大きく堅い葉からなる4枚目の葉です。

育ちすぎてあまり使用されませんが、スモーキーな独特の香りが特徴の中国産茶葉「ラプサンスーチョン」に用いられます。

②製造後の状態

摘み取られた茶葉は次にそれぞれ適した形状に加工されます。

加工後の名称は下記の通りです。

略称読み方
 リーフ
Bブロークン
Fファニングス
Dダスト

リーフ

摘んだ形状そのままの状態の茶葉です。

ここから加工されて下のB・F・Dの茶葉が製造されます。

茶葉の開きが良くなり、茶葉本来の香りを楽しむことができます。

加工品に回す分製造量が少ないため、比較的高価な値段で取引されます。

B(ブロークン)

葉を切断して細かくした状態で、大量生産用に製造されます。

F(ファニングス)

B(ブロークン)された茶葉ををさらにふるいにかけたもので扁平で細かい形状をしています。

D(ダスト)

粉茶の様に最も細かい茶葉。

Fよりさらに小さく、等級の中で最も細かい茶葉です。

抽出時間が少ないことから主にティーバッグに使われます。

名称からマイナスなイメージを持たれがちですが、手軽に紅茶を楽しめるティーバッグには必要な茶葉です。

③希少性

紅茶の中には、チップの含有量や摘採時期によって、その茶葉の希少性に応じて等級が変わるものがあります。

チップとは芯芽の中でも収穫する年の1番最初に摘まれたもので、加工後にも表面に細かい産毛が残っているのが特徴の茶葉です。

うまみ成分を多く含み、口当たりがまろやかになります。

チップが含まれていると紅茶の等級は高くなりますが、チップだけで構成された茶葉は水色も香りもあまり無く、ただ口当たりがまろやかなだけだそうです。

他の茶葉と合わさることでその真価を発揮する、縁の下の力持ちのような役割の茶葉です。

略称読み方
Tティッピー
Gゴールデン

T(ティッピー)

チップが含まれる茶葉の中でも、更にチップの多い紅茶につけられる等級です。

G(ゴールデンチップ)

茶葉を発酵させる過程で発生する発酵成分を含んだ液によって乾燥後茶葉が金色に光ることから名付けられたチップです。

収穫量が非常に少なく、製造に手間がかかるため、その希少性からゴールデンチップが多く含まれているものほど高価になります。

シルバーチップ

チップ(花芯)を自然乾燥させたもので、外観がシルバーもしくはグレーがかって見えることから名付けられました。

こちらもゴールデンチップ同様収穫量が少なく、製造に手間がかかるため多く含まれていると高価になる。

FF(ファースト・フラッシュ)

その年の初めの春摘みの茶葉を指す「紅茶の新茶」のことです。

「ダージリン・ファースト・フラッシュ」などで耳にしたことがあるのではないでしょうか。

新茶と言うと緑茶の場合はシーズン初期の限定的なものですが、紅茶の新茶は収穫時期全体を指します。

おわりに

この記事では「紅茶の等級」について紹介しました。

略称読み方
FTGFOPファイナスト・ティッピー・ゴールデン・フラワリー・オレンジ・ペコー
TGFOPティッピー・ゴールデン・フラワリー・オレンジ・ペコー
FTGOPファイナスト・ティッピー・ゴールデン・オレンジ・ペコー
FFFOPファースト・フラッシュ・フラワリー・オレンジ・ペコー
FOPフラワリー・オレンジ・ペコー
OPオレンジ・ペコー
Pペコー
PSペコー・スーチョン
Sスーチョン
FBOPフラワリー・ブロークン・オレンジ・ペコー
TGBOPティッピー・ゴールデン・ブロークン・オレンジ・ペコー
GBOPゴールデン・ブロークン・オレンジ・ペコー
BOPブロークン・オレンジ・ペコー
BPSブロークン・ペコー・スーチョン
BOPFブロークン・オレンジ・ペコー・ファニング
Fファニングス
Dダスト
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この記事を書いた人

ティータイムが毎日の活力な30代2児のママ。
育児の隙を見つけてティータイムを設ける日々。
趣味はお茶を飲みながらの読書・刺繍・手帳。
お外カフェも好きだけど、人目を気にせず気ままに過ごせるおうちカフェの方が性に合っている。
自宅を自分の「好き」を集めたブックカフェにするのが夢。

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