6月の雨の日に少しずつ進めていた紫陽花の刺繍。
完成した刺繍を机の上に置いて眺めていると、このまま飾っておくのも素敵ですが、毎日の暮らしの中でも使ってみたくなりました。
手を動かした時間ごと持ち歩けるようなものになったら。
そんな思いから、今回は巾着に仕立てることにしました。
紫陽花の刺繍を、巾着に

2026年6月に刺したのは、yulaさんの『yulaのリース 植物刺繍と過ごす12か月』に掲載されている「糸雨したたる雨」の図案です。
今回刺した図案はこちらの本に掲載されています。
季節ごとのリースがどれもやさしい雰囲気で、ページをめくるだけでも季節を感じられる一冊です。
刺繍を始めた頃は、仕立てるものまでは決めていませんでした。
少しずつ完成に近づくにつれて、「このまましまっておくのは少しもったいないな」と思うようになりました。
額に入れて飾る楽しみもありますが、私は暮らしの中で自然に使えるものが好きです。
バッグに入れたり、机の上に置いたり。
何気なく手に取るたびに、刺繍をしていた時間まで思い出せるような気がします。
季節を眺めるだけではなく、暮らしの中へ迎え入れたい。
そんな気持ちで巾着に仕立てることにしました。
心地よい組み合わせを探して

今回の仕立てで一番楽しかったのは、布や紐の組み合わせを考える時間でした。
表布に選んだのは、雨の日の紫陽花を思わせるようなシャモアピンク。
内布は、紫陽花を支える葉を思わせるグリーン。
巾着を開いたときにも季節を感じられるように、葉っぱの色とつながるような一枚を選びました。
最初は華やかな柄布を合わせることも考えていましたが、刺繍のやさしい雰囲気をそのまま楽しみたくて、落ち着いた無地を選びました。
紐も最初は共布で作ろうかと考えていましたが、最終的には図案の葉とリンクするくすみグリーンに。
布を並べたり、糸を重ねたりしながら、「これが一番心地いいな」と思える組み合わせを探す時間も、手仕事の楽しみのひとつだと感じました。
梅雨の景色を閉じ込めた巾着

少しずつ刺し進めた紫陽花が、一つの巾着になりました。
梅雨の景色をそのまま持ち歩けるような作品になった気がします。

口を絞ると、内布のグリーンが少しだけ顔をのぞかせます。
普段は見えない色だからこそ、ふとした瞬間に嬉しくなるお気に入りです。

開いたときにも、紫陽花を支える葉を思わせるグリーンが広がります。
外からだけではなく、中まで季節を感じられるようにしました。

ロルバーンLサイズがゆったり入る大きさ。
手帳や小物など、毎日の暮らしにも使いやすいサイズ感です。
完成した作品を見ると、雨の日に少しずつ針を進めていた時間まで一緒に残っているようでした。
派手ではありませんが、梅雨の庭をそっと切り取ったような色合わせになったように思います。
暮らしの中で使うなら

完成したあと、「何を入れて使おうかな」と考える時間も楽しいものでした。
刺繍道具を入れたり、お茶時間の小物をまとめたり。
ハンドクリームやリップなど、バッグの中の細々したものを入れるのにも良さそうです。
いろいろ考えた結果、この巾着は親子3人分の通院セットを入れることにしました。
病院へ行く日は、どうしても少し気持ちが重くなります。
だからこそ、お気に入りのものをひとつ持っていけたら。
待ち時間にバッグの中からこの巾着が見えるだけでも、少しだけ心がゆるむような気がしています。
作品として完成することも嬉しいですが、暮らしの中で使われてこそ、その作品らしさが育っていくのかもしれません。
暮らしの中で育っていく作品
今回完成した巾着は、ただ飾るための作品ではありません。
バッグに入れて持ち歩き、何度も手に取りながら使っていくものです。
お気に入りの布を選んで、好きな色を組み合わせて、少しずつ形になった紫陽花の巾着。
これから使い込むほどに、この作品だけの表情になっていくのだと思います。
毎年紫陽花の季節になるたびに、この巾着を手に取りながら、今年の梅雨を思い出せたら嬉しいです。
この作品ができるまで
雨の日に少しずつ進めた刺繍時間も、あわせて記録しています。

梅雨のおうち時間を心地よく過ごすアイデアは、こちらの記事でもご紹介しています。



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