今まで作ってきた作品が完成して、次は何を作ろうかなと考えていた時、
「みんなみたいに通園バッグにつけるキーホルダーがほしい」
と、子どもに言われました。
市販のキーホルダーもたくさんあるけれど、せっかくなら刺繍で作ってみたら楽しそう。
そんな軽い気持ちで始めたのが、今回の恐竜刺繍です。
お気に入りの図案を静かに刺していた時間が、少しだけ違う形に変わっていく。
今回は、子どもの「好き」を形にしながら過ごした、小さな制作記録を残してみようと思います。
誰かのための刺繍

今までの刺繍は、どちらかというと自分のための時間でした。
好きな色を選んで、好きな図案を刺して、静かな夜を過ごす。
もちろんそれも心地よかったのですが、今回は少し違っていました。
「これを見たら喜ぶかな」
そんなことを考えながら針を動かしていると、いつもの刺繍時間が少しだけ違うものに感じられたんです。
子どもの「好き」を形にしてみる

子どもが一番好きなのは恐竜。
その中でも特に好きなのがティラノサウルスです。
でも、探してみると、男の子向けの刺繍図案って意外と少ない。
せっかくなら好きなモチーフを用意してあげたいなと思って、今回はオリジナル図案に挑戦してみることにしました。
まずは図鑑を見たり、恐竜のイラストを調べたり。
ティラノサウルスって、どこを強調すると“ティラノサウルスらしく”見えるんだろう。
頭の大きさや、短い前足、しっぽのバランスを何度も描き直しながら、
「たぶんティラノサウルス…?」
くらいの、少しゆるい図案が完成しました。
完璧ではないけれど、手描きらしい形になった気がしています。
配色を考える時間

最初は青系で刺そうと思っていました。
でも子どもから返ってきたのは、
「ティラノサウルスはオレンジ色!」
という一言。
なるほど、子どもの中ではそういうイメージなんだなぁと思いながら、配色を考え直すことにしました。
ただ、手持ちのオレンジ色はかなりビビッドなものばかり。
子どもの好きな色も大切にしたい。
でも、自分が刺している時間も、できれば心地よく過ごしたい。
そんな間を取るように選んだのが、少しくすみのあるサーモンピンクでした。
目はブラウン。
お腹は淡い色で。
背中の模様だけは最後まで迷って、糸を並べては戻しを繰り返していました。
最終的には、少し赤みのあるくすみオレンジの糸に落ち着きました。
子どもの「好き」と、自分が心地よく感じる色。
その間を探す時間も、今回の刺繍の楽しさのひとつでした。
初めてのロング&ショートステッチ

今回、広い面を埋める部分にはロング&ショートステッチを使ってみました。
今まではチェーンステッチを使うことが多かったので、ほとんど初挑戦です。
調べながら刺してみると、
「なるほど、こうやって面を作るんだ」
という面白さはあったのですが、実際にやってみると凹凸や輪郭の揺らぎがかなり気になります。
特に恐竜は、手足やしっぽの向きが複雑で、
「この方向で合ってる…?」
と不安になりながら進めていました。
それでも、少しずつ形になっていく時間は楽しくて。
次に図案を描くなら、模様部分を増やして、面を埋める範囲を減らしてみても良いかもしれません。
そんなことを考えながら刺していました。
通園バッグにつけるための仕立て

仕立てについても、途中で少し予定を変えました。
最初はキーホルダーにしようと思っていたのですが、今回つけるのは通園バッグ。
毎日使うものだから、硬い金具は少ない方が安心かなと思って、根付のような紐タイプのストラップにすることにしました。
軽くて、揺れて、やわらかいもの。
そんな形をイメージしています。
実際に仕立ててみると、小さいチャームだからこその難しさもたくさんありました。
布を内側に折り込むと厚みが出てしまったり、輪郭が思ったように整わなかったり。
接続部分も、リボンにするか、紐にするか、最後までかなり迷いました。
最終的には、刺繍した布で小さな共布タグを作って挟み込む形に。
手探りで進めた仕立てでしたが、完成してみると、少しラフなくらいが今回の恐竜には合っている気がしています。
完成した恐竜ストラップ

こうして完成したのが、通園バッグにつけるための小さな恐竜ストラップです。
完璧に整った作品ではないけれど、
図案を考えた時間、
色を迷った時間、
仕立てに悩んだ時間、
全部そのまま残っている気がしています。
子どものために作り始めたはずなのに、気づけば、自分にとっても心を整える時間になっていました。
この恐竜ストラップを進めていた頃の記録は、こちらにも残しています。
作りながら見えてきたこと
正直、手探りで作っているので、すぐ壊れてしまうかもしれません。
強度も、仕立ても、まだまだ改良できそうな部分ばかりです。
でも、それも含めて今回作ってみて良かったなと思っています。
どんな形が使いやすいのか。
どんな図案だと刺しやすいのか。
どんな色だと、自分も心地よく針を動かせるのか。
少しずつ分かってきた気がするからです。
刺し終わったあと、図案ノートに今回使った糸や気づいたことを書き残しました。
たぶん次は、もう少し上手に作れるはず。
そんなことを考えながら、今日もまた、少しだけ針を動かしています。
暮らしの中で育っていく刺繍時間に
小さなモチーフを少しだけ刺す時間。
お気に入りの布小物に、そっと刺繍を添える楽しみ方をまとめています。
▶︎暮らしの中で使う、小さなワンポイント刺繍の楽しみ方
刺繍を始める時に揃えた道具たち。
使いやすさだけでなく、“手を動かしたくなる空気感”も大切に選んでいます。

紅茶を淹れて、静かな夜に少しだけ針を動かす。
刺繍をしながら過ごす、おうち時間について書いた記事です。
▶︎手を動かして過ごす、静かな夜の刺繍時間
手を動かしながら少しずつ整っていく時間を、これからも大切にしていけたら嬉しいです。


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